コラム
伝わる資料はグラフから! グラフの選び方、教えます。
情報を「わかりやすく」伝える上で、グラフの選択は非常に重要です。数字をただ並べるだけでは伝わらない背景や差異も、グラフを活用することで一目で理解されるようになります!
とはいえ、「どのグラフを使えばいいのか分からない」という声も少なくありません。今回は、特によく使われる3種類のグラフ――円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフに焦点を当て、それぞれの特徴や使い分けのポイントをご紹介します。
1. 円グラフ|構成比の可視化に強い
円グラフは、円全体を100%とし、各項目の構成比を扇形で表したグラフです。扇形の大きさによって、各項目が全体に占める割合の違いが一目でわかります。

どんなときに使う?
- 全体に対する構成割合を示したいとき
- カテゴリが4~6つ程度に収まるとき
- 視覚的な“比率感”を伝えたいとき
円グラフの利点
- 一目で「何が一番多いか」がわかる
- 円形が視覚的にインパクトを持ち、印象に残りやすい
円グラフの注意点
- 項目が多すぎると見にくくなる
- 5%未満の要素は視認性が下がる
- 同じような割合のデータは区別しづらい
円グラフの活用例

2. 棒グラフ|比較に最適、万能なグラフ
棒グラフは、通常、縦軸に数値(データ量)をとり、横軸に項目を配置し、それぞれの棒の高さによってデータの大小を表すグラフです(横棒で表す「横棒グラフ」もあり、用途に応じて使い分けられます)。
各項目の数値を視覚的に比較しやすいため、値の高低を直感的に把握でき、項目ごとの違いを明確に示したいときに有効です。

どんなときに棒グラフを使う?
- 項目ごとの数値を比較したいとき
- 時間や地域ごとの推移を見せたいとき
- データに階層構造があるとき
棒グラフの利点
- 値の大小が一目でわかる
- 棒の長さで差を明確に表現できる
- 横軸・縦軸どちらでも展開できる柔軟性
棒グラフの注意点
- 項目が多すぎると読みづらい
- グラフの項目の名前が長い場合は横棒グラフに切り替えるのがおすすめ
円グラフの活用例

3. 折れ線グラフ|比較に最適、万能なグラフ
折れ線グラフは、時系列などの連続的な変化を捉えるのに適したグラフです。横軸に年や月などの時間、縦軸にデータ量をとり、各データを線で結びます。
線が右上がりならデータが増加、右下がりなら減少していることを示すため、変化の傾向や増減を把握しやすくなります。また、線の傾きから変化の大きさ(増減のスピード)も読み取ることができます。

どんなときに棒グラフを使う?
- 売上やアクセス数などの時系列推移を見たいとき
- 連続データの増減傾向を視覚的に把握したいとき
- 四半期ごとの成長率や日別の問い合わせ数など、継続的な変動を伝えたいとき
棒グラフの利点
- 上昇・下降・横ばいなど変化の傾向がひと目でわかる
- 複数系列を比較しやすい
- データ同士の差がどこで大きくなったか/縮まったかが明瞭になる
棒グラフの注意点
- データ点が少ないと傾向が読めない
- 項目間の間隔が等間隔でないと誤認されやすい
円グラフの活用例

まとめ:目的に合ったグラフ選びが伝わる資料をつくる鍵
数字を「伝えるため」に、グラフはとても強力なツールです。しかし、どんなに正確なデータでも、グラフの選び方を間違えると、誤解や無関心を招くこともあります。
- 見せたい「意図」や「関係性」がどんなものかを明確にする
- 比較、構成、傾向…どれを伝えたいかでグラフを選ぶ
- 迷ったら、まず棒グラフをベースに考える
この3つを意識するだけで、伝わるグラフ資料をつくることができます。
日々の企画書や提案書、クライアント報告においても、ぜひ「適切なグラフ選び」で伝達力を底上げしてみてください!