コラム
もう始まってる!「AI検索に広告が出る時代」がやってきた!

「なんか最近、検索しても広告がよく分からない場所に出てるなあ…」
そう感じたことありませんか?実は今、検索の世界で大きな変化が起きているんです。
これまでの検索といえば、キーワードを入力して → 青いリンクがズラッと並んで → 気になるものをクリック、という流れが当たり前でした。
でも最近は、ChatGPTやBing、そしてGoogleでも「AIが答えをまとめて教えてくれる」検索が当たり前になってきました。そして、そのAI回答の中にも広告が入るようになったんです。
今日はそんな「AI検索広告の今後」について今わかっている情報を共有いたします!
目次
今までの検索広告 vs AI検索広告、何が違うの?
今までの検索広告
「沖縄旅行」で検索すると…
- 検索結果の上や横に「広告」と書かれた枠が出る
- クリックして初めて詳しい情報が見られる
- 「あ、これ広告だな」って分かるものでした。
<イメージ>※現状では広告はでていません

AI検索広告
「沖縄旅行のおすすめプラン教えて」で検索すると…
- AIが「3泊4日なら○○コース、予算は○万円くらい」とまとめて答える
- その回答の中に「ホテル予約はこちら」「格安航空券はこちら」みたいなリンクがサラッと入ってる
- 普通の情報と広告の境目がよく分かりません。
<イメージ>

つまり、広告がより「自然」に、情報の一部として提供されるようになったんです。
日本でも提供が拡大しており、広告導入は段階的に展開される見込み
それでは各社のAI検索の動きを見ていきましょう!

Google:AI Overview(生成AIによる要約)
2024年8月15日から日本でも正式に開始[※1]。「沖縄旅行のおすすめ」と検索すると、AIがモデルコースをまとめて表示。2024年10月からは米国でAI回答内に広告を混ぜる機能も正式スタート[※2]しており、日本での展開も時間の問題です。
[※1]: Googleの新機能「AI Overview」が正式リリース|SEOへの影響と
[※2]:Googleの「AIによる概要」に正式に広告が掲載されるように
Microsoft Bing:Copilot検索
ChatGPT技術を使った会話型検索で、質問への回答に関連広告を挿入。「健康的な食事について教てて」という質問に対し、栄養に関する回答とともに健康食品の広告も表示されます。Copilot搭載による検索では、クリック率が向上するという公式データ[※3]も発表されています。
[※3]: 広告主とパブリッシャーにとっての生成 AI のパワーと可能性を解き放つ
ChatGPT:検索機能の実装
2024年7月に「SearchGPT」として発表[※4]、10月に「ChatGPT search」として正式リリース[※5]。現在のところ広告機能は未実装ですが、将来的なマネタイズ手段として業界から注目されています。
[※4]: OpenAI、AI検索エンジン「SearchGPT」を発表―最新情報で回答生成
[※5]: OpenAIがAI検索「ChatGPT search」を公開、検索エンジンとしてGoogleに対抗
Perplexity AI:スポンサー質問機能
2024年第4四半期から「Sponsored Question」という広告機能を導入開始[※6]。ブランドが検索結果でフォローアップ質問のスポンサーになることができる仕組みです。
[※6]: AI検索でグーグルとOpenAIに挑むPerplexity AI–根底に「ソース重視」
なぜこの変化が起きているの?

実は、従来の「クリック型広告」には限界があった状態でした。
主な問題としては
- ユーザーは広告だと分かるとクリックしたがらない
- 広告主は「クリックされないと意味がない」状態
- 情報を探している人と商品を売りたい人の間にギャップ
広告であることを気にしないユーザーもいれば、「広告」は絶対に避けるユーザーが一定数いらっしゃること、また広告=作られた情報と信用性に疑問をもってしまうユーザーも多くいることも事実でした。
一方でAI検索広告の場合、
- ユーザーの質問に答えながら、関連する商品・サービスも提案
- 「答えの一部」として広告が提供されるので、嫌がられにくい
- より購買意欲の高いタイミングでアプローチ可能
上記により、ユーザーにとっても「納得感」のある状態で広告に接触ができ、企業にとっても「広告だから」と毛嫌いされることも緩和されると期待されています。
日本市場への影響は?
日本の検索市場ではGoogleが約78.86%のシェアを占めている[※7]ため、GoogleのAI Overview導入が大きな影響を与えると予想されます。また、総務省の調査でも、パソコン・スマートフォン・タブレットすべてでGoogleが7割以上のシェアを持つ[※8]ことが確認されています。
[※7]: Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
[※8]: 令和6年版 情報通信白書|検索サービス – 総務省
その中でも特に影響を受けそうな業界は以下のような業界と言われています。
- 教育・資格:「プログラミング学習方法」の回答に講座の広告を混ぜる
- EC・ショッピング:「○○のおすすめ商品」の回答内に購入リンクを挿入
- 旅行業界:「おすすめ旅行プラン」をAIが提案し、その中に予約サービスを組み込む
- 不動産・金融:「住宅ローンの選び方」の説明に金融商品を提案
いかがでしょうか。AI検索は決して「対岸の火事」ではない状態にまで進化していることがわかるかと思います。
企業にとってのチャンスとリスク
それでは具体的に広告を出稿する企業にとってのチャンスとリスクを分けて考えてみましょう。
チャンス
より関連性の高いユーザーにリーチ
「40代向け・短時間で続けやすい運動プラン」という具体的な検索に対し、ピンポイントでサービスを提案できる
広告感が薄くて嫌がられにくい
情報の一部として提供されるため、従来の広告より受け入れられやすい
コンテキスト(文脈)を活用した訴求
ユーザーの質問内容に合わせて、最適なタイミングで商品・サービスを提案
リスク
透明性の問題
「なぜこの広告がここに?」が見えにくく、ユーザーが混乱する可能性
効果測定の難しさ
従来の「クリック数」「表示回数」では測れない効果をどう評価するか
コントロールの難しさ
AIが自動で広告文を生成するため、企業側の思った通りの表現にならない場合も
大幅なクリック率減少
Ahrefsの調査では、情報系クエリのサンプルに基づく分析結果においてAI Overview表示時に上位ページのクリック率が34.5%も減少[※9]することが明らかになっています。
[※9]: AI Overview が表示されることで、ページへのアクセス数が34.5%減少
個人的にですが、今までは出稿さえすれば表示され、クリックされていた広告も
AI広告が支流になることで「中身のない、ユーザーにメリットのない広告は表示さえもされない」という時代になっていくのだろうな、、と感じました。
これから企業はどう対応すべき?

それでは広告を出稿する企業はどのように対応したらいいのでしょうか?
1. 小さく始めてみる
いきなり大きな予算を投入せず、まずは小規模テストから。すでにGoogleではAI MAXという広告プロダクトを開始。現状、AI広告にだしますよ、とは言及していないものの、おそらくこのプロダクトから配信面が拡大していくと考えられれます。
Pmaxが運用開始した時と同様、「なんとなくAI MAX優遇されてない?」なんてことが起きそうな予感がしています。
<参考>検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み
https://support.google.com/google-ads/answer/15910187?hl=ja
2. コンテンツSEOとの両立
AIに引用されやすい形で自社コンテンツを整備することも重要。「AI検索で紹介されるコンテンツ」を意識した情報発信を心がけましょう。
3. ユーザー体験を最優先に
広告が「邪魔な存在」にならないよう、本当に役立つ情報として提供することが長期的な成功の鍵です。企業が言いたいことだけでなく「ユーザーにどんなメリットがあるのか」を意識したサイト設計がますます求められるようになるでしょう。
どうなる?今後5年間の予測
いやいや、そうは言ってもまだみんなやってないでしょ。結局検索広告の方が成果いいんじゃない?とお考えの方も多いのではないでしょうか?
専門家の予測によると
- 2026年まで:従来の検索ボリュームが25%減少(ガートナー調査[※10)
- 2029年まで:AI検索広告市場は現在の約26倍に成長、約260億ドル規模へ(Emarketer調査[※11])
- 日本市場:旅行・EC・教育分野での早期導入が加速
[※10]:2026年までに検索エンジンは生成AIのチャットボットにシェアを奪われる
[※11]: AI 検索広告費、2030年までに約260億ドルへ – DIGIDAY[日本版]
つまり、「みんながやり始めてからでは遅い」状況になりつつあることは明確な状態です。
まとめ:「答え」と「宣伝」が自然に共存する未来
AI検索広告は、従来の「宣伝」から「答えの一部」への変化を表しています。
ユーザーにとっては「知りたいことがすぐ分かって、関連する商品・サービスも教えてもらえる」便利さがある一方で、「どこまで信頼できる情報なのか」という新たな課題も生まれています。
企業にとっては、より自然な形で顧客接点を持てる反面、「本当に価値のある情報・サービス」でなければAIに選ばれない厳しさもあります。
重要なのは、テクノロジーの変化に適応しながらも、「ユーザーにとって本当に価値のある情報提供」という原点を忘れないこと。
AI検索の世界でも、結局は「人の役に立つかどうか」が成功の分かれ道になりそうです。
ぜひ、AI検索にご興味のある方はプランニングAまでご相談ください!
この記事は2025年10月5日時点の情報をもとに作成しています。AI検索広告の仕様は各社で随時アップデートされているため、最新情報は各サービスの公式発表をご確認ください。