コラム
リスティング広告で商標を侵害されていた時の対処法
Webマーケティングチームのアソウです。
弊社では「シゴトサガス」という地域特化型求人サイトを運営しています。
「シゴトサガス」という名称に関しては弊社で商標登録しており、自由に使うことができるのはもちろん商標をもつ弊社のみです。
しかしながら、先日「シゴトサガス」という文言を使った広告文で、指名検索の広告枠が埋まってしまっているという報告を受けました。
実際に調べてみたところ、他社求人サイトが商標を明らかに侵害した広告を配信していることが確認できました。
ここまで露骨に商標を侵害した広告文を見たのは初めてだったので驚いたのと同時に、誰もが名前を知るような大手企業でもこのような遵法意識なのかと愕然としました。
今回は、自社のサービス名など商標を侵害された場合にどのような対処をとるべきか、実際に起こった事例を元に対処方法をまとめていきたいと思います。
指名検索で他者の広告が表示されるケース
実のところ「指名検索」で競合他社の広告が表示されることは、割と頻繁に起こります。
関連するキーワードのマッチタイプを「部分一致」で設定していると、他社の指名キーワードを拾って広告を表示してしまうからです。
また仮にリスティング広告のキーワードに「シゴトサガス」と設定していても、キーワードの登録自体は商標侵害に当たりません。
他社のキーワードは設定しないという暗黙のルールは存在しますが、そこは運用者のモラル次第ということになります。
指名検索で他社の広告が表示される場合の対処法
この場合は、直接広告主となるサービスの運用元に問い合わせて、自社の指名キーワードでの広告出稿を止めてもらえないか交渉するというアナログな手法しか手立てがありません。
自社の指名キーワードで広告が出稿されている旨と、除外設定して欲しいキーワードを問い合わせフォームなどから送って様子を見ましょう。
多くの場合は、意図して出稿している訳ではないので対応してもらえると思います。
その際、自社の広告設定でもお願いする企業のサービス名を除外設定することを併せて伝えると応じてもらいやすくなるかと思います。
商標キーワードが入った広告文を出稿された場合
例えば 「シゴトサガス| 転職なら〇〇〇〇」「シゴトサガス| 求人サイト〇〇〇〇」(※〇は他社のサービス名)のように、商標を侵害している広告の配信が複数確認できた場合、部分一致で表示されてしまうパターンとは違い、明らかに意図的に狙って広告を出稿しているか、キーワード挿入機能で「シゴトサガス」というキーワードを入稿している可能性が高いと考えられます。
気付かれたら出稿を止めれば良いという考えもしれませんが、商標侵害は訴えられれば損害賠償請求まで至るケースもあります。
無用なトラブルを避けるために、広告文作成の際は商標侵害に気を付けましょう。
商標の侵害を確認できた場合は、出稿元に出稿の差し止めを依頼しつつ、商標を使った広告文を他社が出稿できないようにしてしまった方が良いでしょう。
ということでGoogle広告、Yahoo!広告それぞれの媒体で実際に行った対処は下記の通りになります。
Google広告の場合の手順とポイント
①商標侵害の申し立てページに進む
https://services.google.com/inquiry/aw_tmcomplaint
②フォームの項目に沿って内容を入力
自社の保有する商標の商標番号・商標種類が必要になるので「特許情報プラットフォーム」で検索しておくと良いでしょう。
補足説明で最後にキャプチャなどを添付できるので、実際に商標侵害をしている広告文をキャプチャして添付しておくと申請が通りやすくなるかと思います。
③「商標使用の許諾」に注意する
すべての広告主に対して商標の使用を制限する場合「商標使用を許諾された広告主」の欄に自社のアカウントIDを入力して、自分たちは広告を配信する際に商標を使えるように申請しましょう。
ここを忘れてしまうと自分たちも商標を広告文に入れることができなくなるなど面倒なことになるので注意してください。
④審査結果を待つ
約1週間程度で審査が終わります。
商標侵害が認められれば他社が出稿しているリスティング広告を止めることができ、他社が商標を使用することができなくなります。
コチラは結果が届き次第追記しようと思います。
Yahoo!広告の場合の手順とポイント
①商標侵害の申し立てページに進む
②使用制限の対象とする広告主
特定の広告主の商標使用を制限するか、全ての広告主からの商標使用を制限するか選びます。
この際もGoogle広告と同様に、商標権者自身や一部の広告主に対して商標の使用を許諾する場合は、対象の広告主名と広告に表示されているURL(表示URL)を入力しましょう。
ここを忘れてしまうと、自社で商標が使用できなくなってしまいます。
「再承認には時間がかかる」と記載があるので注意して申請をしましょう。
③フォームの項目に沿って内容を入力
Google広告とは異なり、「申請者の名刺・商標登録証、または商標原簿」の資料が必要になります。
それぞれPDFなどで準備すると良いでしょう、
④審査結果を待つ
商標侵害が認められれば他社が出稿しているリスティング広告を止めることができ、他社が商標を使用することができなくなります。
こちらも結果届き次第、追記しようと思います。
指名検索の広告は可能な限り出稿するのがオススメ
自社の商品やサービス名での検索である「指名検索」のキーワードに関して、広告運用者の中でもリスティング広告を出した方が良いという意見と、不要だという意見に分かれています。
私は指名検索でのリスティングは広告はほぼ必須で出すべきという意見です。
今回のケースでもあったように、指名検索時の広告枠が他社のリスティング広告で埋められてしまうと、大きな機会損失を産む可能性があるからです。
指名検索の重要性に関しては別の記事をご参照ください。
その場合は冷静に各媒体に商標侵害を申告し、他社が商標を使えないように対処をしていくのが確実かと思います。
商標を使った広告文ではなくても、出稿元にキーワードの除外設定をお願いしながら、自社の指名検索を守っていくことが重要だという学びを得ました。
「指名検索の広告枠が他社広告で埋められてしまっている」「指名検索が減っている要因を知りたい」など、リスティング広告の運用でお悩みでしたら、ぜひ下記のフォームからお問い合わせください。