コラム
今、重要視すべき指標!LTV(ライフ タイム バリュー)とは?
こんにちは!web広告チームのマツダです!
突然ですがみなさんは「LTV」という指標をご存知でしょうか?
「LTVねっ、うちでも重要視してるんだよねっ」って言いながら、こそっと検索してこのページに辿り着いたあなた!
大丈夫です。私も、この記事で復習がてらまとめているので一緒に勉強していきましょう!
目次
LTVとは?
LTVとは、Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略で、日本語で言うと「顧客生涯価値」の訳です。
一人、あるいは一社のクライアントが、特定の企業やブランドと取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したものを言います。
顧客との関係を良好に保つことで利益を向上させるCRM(「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」)との親和性が高い指標で、一般的にロイヤルティーの高い顧客ほど顧客ライフサイクル内にもたらす利益が多く、LTVが大きいと言われています。
つまり、LTVとは「一人(一社)の顧客でどのくらい自社に取引期間中にいくら利益が見込めるか?」の算出で、「信頼や愛着心、帰属意識が高いユーザー(クライアント)ほどその価値が見込めると言われている、広告戦略を考える中では最も重要視するべき指標なのです。
なぜLTVが重要視されているのか?
ではなぜLTVが重要視されるようになったのでしょうか?
その背景としては、新規顧客獲得の難しさから既存顧客の維持が注目されたことがひとつとされています。
1:5の法則というものをご存知でしょうか?
1:5の法則とは、新規のお客様を獲得するには、既存のお客様の5倍のコストがかかるという法則です。
新規顧客は獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いので、新規顧客の獲得以上に、既存顧客を維持・拡大することが効率の良い利益の上げ方と言われています。
LTVの計算方法は?
ではLTVはどのように計算すればいいのでしょうか?
計算方法はさまざまですが、最も簡単な計算方法は、下記のようになります。
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間
例えば、平均顧客単価10万円、収益率50%、購買頻度1回/月(=12回/年)、継続期間5年の場合、
LTV=10万円×0.5×12×5=300万円と計算されます。
ただし、この計算式には顧客獲得や維持に必要なコストが計算されていないため、
新規顧客獲得コストと既存顧客維持コストを加味すると、下記の計算になります。
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間 -(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)
例えば平均顧客単価、収益率、購買頻度、継続期間が先ほどと同じで、新規顧客獲得コストが100万円、既存顧客維持コストが50万円の場合、
LTV=300万円-(100万円+50万円)=150万円と計算されます。
また、平均顧客単価、収益率、購買頻度、継続期間など、自社の状態をなんとなくは把握していてもきちんと数値化できていない場合や、
継続年数や継続購入期間など、短期間では算出できない情報も必要になるため、正確な数値をすぐ計算しにくい場合もあります。
そのような場合は、上記以外にも下記のような計算式もありますので、自社のビジネスに沿った計算方法で算出してみてください。
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- LTV =顧客の年間取引額 × 収益率 × 顧客の継続年数
- LTV =顧客の平均単価 × 粗利 ÷ 解約率
- LTV =顧客の平均購入単価 × 平均購入回数
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また、Googleのアクセス解析ツールGA4では、ユーザーの行動を分析して顧客としてのライフタイム バリューを評価する機能もついていますのでぜひ初期設定をして計測できるようにしておくこともおすすめです。
<Googleアナリティクスヘルプ:[GA4] ユーザーのライフタイム>
いずれにしてもLTVがすぐに算出できない場合は、「それでよし」としないで、顧客データをまとめるなど算出できる体制づくりをまずは目指しましょう!
LTVはどんなふうに活用したらいいの?
ここまでLTVについて、その重要性や計算方法などを解説してきましたが、
「LTVの計算できたけど、具体的な施策が実施できていない。。。!」
「いや、わかったところでこの数値、どこで使うの?」
そんな方も多いのではないでしょうか?
ご安心ください!
ここからは、LTVの指標を業務に活用し、利益を最大化させていくための5つの使い方についてご紹介いたします。
顧客獲得コスト(CPA)を決める目安として
LTVは、顧客獲得にかけるコスト(CPA)を決める目安として活用できます。
よく弊社でも「広告の予算はいくらかければいいの?」とご質問いただくことが多々ございます。
たしかに新規顧客獲得のコストには、どの程度予算を使うのか悩ましいところですが、LTVから逆算して1/5が目安になるといわれています。
まずは、現状のCPAがLTVの何%程度になっているのか確認してみることで、現状の広告施策の費用対効果が適正かどうかの目安にすることができます。
顧客単価・平均購買単価アップ施策の予算を決める目安として
顧客単価や平均購買単価を上げるための施策も、実際にどのくらいの予算を算出したらいいのかよくご相談をいただく項目です。
ここでもLTVを目安にすると、アップセルや媒体を跨いだクロスセル、また、費用対効果に算出しずらいコンテンツマーケティングなどの予算を決めやすくなります。
LTVへの影響率を検討しつつ、どの程度の予算をかけたら費用対効果がよいのかを計算、検証してみましょう。
購買頻度や顧客維持率を上げる施策の予算を決める目安として
購入頻度や顧客維持率を上げるための施策への予算も、LTVを目安として検討できます。
たとえば、顧客維持率を1%上げるとLTVがどのぐらい改善されるのかを計算すれば、顧客維持率を1%上げるためにかけられる予算が判断できるので、LTVに直結した施策を行うことができます。
ロイヤルカスタマーの基準を判断するためとして
LTVは、ロイヤルカスタマー(優良顧客)の基準ともなります。
企業の業務形態によって優良顧客の基準はさまざまですが、一般的に、LTVの高い人がロイヤルカスタマーだと判断できます。
LTVの高い人を分析し、共通点を見つけていくことで、ロイヤルカスタマーのペルソナ像が明確になり、販促施策やwebサイトリニューアル時などの指標が根拠を持っておこなえます。
カスタマーサクセスやマーケティング施策のKPIとして
LTVは、カスタマーサクセスやマーケティング施策のKPIとしても使うことができます。
LTVの計算方法は、平均顧客単価、収益率、購買頻度、継続期間などさまざまな要因によって構成されています。
そのためカスタマーサクセスやマーケティング施策の効果が、最終的に収益に反映されていたのかどうかを確認するための指標としても有効です。
LTVを最大化する方法は?
なんだか色々な指標に使えそうな「LTV」!
活用すべきはわかったけど、じゃあ、具体的にはどのような施策をとればLTVは最大化できるのでしょうか?
ここでは代表的なLTV最大化の方法をいくつかご紹介しようと思います。
商品バリエーションを複数用意する
平均顧客単価アップのために、価格の異なる複数の商品バリエーションを用意する方法があります。
「松竹梅の法則」をご存知でしょうか?
皆さんもなんとなく経験があると思うのですが、高級品(松)、中級品(竹)、普及品(梅)の3つのラインナップを設けると、中級品が購入されやすい傾向があるという法則です。
購入してほしい中級品に高級品と普及品を加えることで、「安いのはいいけど、品質は落としたくないな」という心理が働き、中級品を選ぶという心理を利用した仕組みです。
もし現状2択のような商品ラインナップになっている場合は、もっとも売りたい商品を中級品にした松竹梅のラインナップにすることで、顧客単価がアップが見込めるかもしれません。
セット販売商品を用意する
単品販売ではなく、セット販売で平均顧客単価を上げる方法も効果的な手法です。
複数の商品を扱っている場合は、同時に購入されることの多い商品の組み合わせを見つけ、セット販売を検討してみてはいかがでしょうか?
セット販売は自社にとってメリットがあるだけでなく、顧客も商品購入の手間を減らすことができるため、顧客の満足度も向上します。
※人気商品の購入者に対して、不人気商品を不当に同時購入させる「抱き合わせ販売」は独占禁止法違反であるため注意。
リマインドメール/メールマガジンの配信
購買頻度を向上させるために、商品の買い替え時期に合わせてリマインドメールを配信する手法も有効です。
商品を必要とするタイミングでメールなどを配信し、他の商品を検討する前に自社の商品をアピールしましょう。
前回購入してもらえたからといって、次回も購入してもらえるとは限りません。
買い替えを検討する顧客は他社商品との比較を行うことを前提に、自社商品の強みやメリット等を、しっかりに記載してください。
最近は購入履歴をLINE公式アカウントと連携して、LINEトークを介してアプローチする企業も増えています。
ご興味のある方はぜひご相談ください。
また、サービスなどが商品の場合、契約の継続期間が延びれば、当たり前ですがLTVは向上します。
一度サービスを売って満足するのではなく、購入してくれた顧客を優良顧客に育成することを考えましょう。
顧客の気持ちをつなぎ留めておくために効果的な手法の一つに、メルマガの配信も有効です。
その際に気を付けたいポイントは、メルマガの内容が自社商品の売り込みばかりに偏らないよう、商品の使い方や業界動向といった、顧客の役に立つ情報も盛り込んで、興味を持ってもらえる内容にしブロックされないような内容にした方が有効です。
場合によっては、ユーザーと定期的に打ち合わせの場を設けたり、使い心地の確認や改善点などをお伺いできる場を設けると、特に対企業の場合は関係性が構築できる可能性が高いです。
さあ、LTVを理解して利益を最大化しよう!
いかがでしたでしょうか?
LTVについて、意味や計算方法、重要視される理由を解説し、LTV活用方法、向上のための施策をザクっと紹介しました。
もちろんLTVは企業によって異なるため、それぞれの企業の在り方に沿った計算、改善方法が必要です。
「なんとなくはわかったけど、具体的になにからはじめたら?」という場合はぜひ一度当社へご相談ください。
LTVを理解し、既存顧客との良好な関係性を構築することで、商品・サービスの継続利用による長期的な利益を一緒に拡大していきましょう!