コラム
「指名検索」の重要性とオススメ施策3選
Webマーケチームのアソウです。
私は自分がモノやサービスを購入するときの思考の流れをメモして、なぜ自分が欲しいと思ったのか、購入に至ったのかを振り返るようにしています。
そうすることによって無意識に購入していた時よりも、購入に至った理由やきっかけとなった出来事がなんだったのかが明らかになってくるので、全体的なマーケティングの戦略を考える上での1つのサンプルとして役に立ちます。
流れとして増えてきているのは、YouTubeやTwitterなどで話題になっていたり、たまたま見かけた商品やサービスを検索して、そのまま購入に至るというケースです。
これは飯髙悠太さんの「僕らはSNSでモノを買う」という本で詳しく解説されていますが、ULSSASという購入プロセスが一般化しているというのが体感値としてもあります。
では単純にSNSを始めれば良いかというとそうではなく、業界や商材によって取るべき戦略や注力するべき媒体や優先順位は変わってくるかと思います。
しかしながらSNSなどを中心にユーザーとのタッチポイントを増やし、認知を獲得しながら「指名検索」を増やしていくことは、どのような業種・商材でも重要な戦略になってくるのは間違いありません。
指名キーワードと一般キーワード
指名キーワードと一般キーワードの違いをおさらいします。
指名キーワードとは企業名や商品・サービス名など自社にまつわるキーワードを指します。
「指名検索」は指名キーワードでの検索を意味します。
一般キーワードはその対義語で「旅館 おすすめ」や「旅館 +地域名」など、ある特定の商品・サービス名ではなく、より広い汎用性の高いキーワードを指します。
指名キーワードと第一想起の重要性
指名キーワードでの検索が「指名検索」となるのですが、Yahoo!マーケティングソリューションが発表した面白いデータをご紹介します。
【参考】1番目の指名検索「指名キーワード起点」が新たなブランディングの指標に
こちらの記事によると、1番目に検索されたキーワードが「指名キーワード」の場合、「一般キーワード」と比較してCVR約12倍になったという事が分かったようです。
旅行業界でのデータですが、たしかに特定の旅館やホテルの名前で検索した場合と、「旅館 おすすめ」などで検索した場合では熱量も違いますし、CVRに差が出ることは想像に難くはありません。
さらにこの記事では、「第一想起」に入ることでCVRが2倍になるという興味深いデータも紹介されています。
「第一想起」とは自社の商品・サービスが、市場全体で1番⽬に想起されることと定義されています。
つまり、ユーザーが何か商品の購入やサービスの導入を検討しているタイミングで、「1番最初」に指名検索されることがコンバージョンを獲得するために非常に重要になっているのです。
第一想起に入ることの重要性は、自動車・住宅・保険など「検討期間が長い商材」ほど、重要性が高まります。
結局は「知っているもの」の中から選ばれやすいということですね。
中小企業が第一想起をを目指すために
第一想起になることが重要だということはわかりました。
しかしながら、マーケットで第一想起になることはやはり並大抵のことではありません。
資本力に差がある大企業に、中小企業が勝るために必要なことは「ポジショニング」です。
弊社の求人サービスである「シゴトサガス」を例に考えてみましょう。
例えば「求人サイト」という括りであれば、多くの方がマイナビ・リクナビ・タウンワークなど、知名度の高い大手求人サイト様を想起されるかと思います。
しかしながら福島県在住の方に「福島の求人サイトといえば?」と聞いてみたらどうでしょうか。
恐らく「シゴトサガス」と答えていただける方、想起していただける方の割合はグッと増加するはずです。
事実、シゴトサガスへの流入は指名検索を含む自然検索が60%近くを占めています。
これはシゴトサガスのオープン当初から、約5年にわたり福島県内でTVCMを配信し続けてきた効果かと思います。
TV離れによりCMの効果は落ち始めているという話も耳にしますが、未だに非常に強力な媒体であることは間違いありません。
一例ではありますが、多くの企業様はまず「戦う市場」や「ポジション」「ターゲット」を絞り、資源を集中させながら、いかに差別化を図る事ができるかをまず考えるべきと思います。
まず目指すべきは「考慮集合」に入ること
いきなり第一想起を目指すことは難しいですが、まずはユーザーの検討段階で「考慮集合」に入れるレベルを目指していくことが重要だと思っています。
考慮集合とは、商品やサービスの購入を検討した際に想起される「選択肢」を指します。
例えば新しく「SUV」を購入しようとなった時に、候補となる車種名はいくつ上がるでしょうか。
恐らくよっぽど車が好きという方以外は、街中でふと気になったり、広告などで目にしたことがある「2〜3車種」程度かと思います。
パッと思い浮かべてもらえる数も非常に限られているのですが、まずはその考慮集合に入ることができなければ検討段階のテーブル上がることすら難しいのです。
ユーザーは私たちが予想している以上にせっかちで、比較検討などの面倒な作業を無意識に避ける傾向があります。
多くの商品・サービス・情報が溢れ、競争が激化しているからこそ、ユーザーは選択することに疲れ始めているのではないかと思います。
だからこそインフルエンサーやフォロワーなど、信頼する人が紹介していたり、口コミが多いもの(多くの人が良いと言っているもの)を買おうとする流れが強化されているのでしょう。
考慮集合に入るためには、前述した競合を踏まえた上での「ポジショニング」に加えて、いかにユーザーの目に触れる機会(タッチポイント)を増やしながら、ファンや口コミを獲得していけるかが重要です。
考慮集合に入り、指名検索を増やしていくためには?
TVCMなどを長期間にわたって継続的に出稿するのは、認知を高め指名検索を増やすことには非常に効果的ですが、広告費は数百万〜数千万単位で必要になってくるため、あまり気軽に試せるモノではありません。
「考慮集合」に入り、指名検索を効率的に増やしていくためにはどうすればいいでしょうか?
費用を抑えながら効果的に認知を高め、指名検索を増やすことができるオススメ施策3選をご紹介します。
Googleマイビジネスの運用
店舗ビジネスを展開されているお客様はまず必須で実施すべきがGoogleマイビジネスの運用です。
登録して放置されているお客様が非常に多いですが、それでは不十分です。
口コミを積極的に集め、返信の対応をし、キャンペーンの情報などを発信することで、Googleマップでの掲載順位が高まるなど集客に多大な効果があります。
Googleマイビジネスを運用できているお客様はまだまだ非常に少なく、またその有用性に気付かれていない方も多いです。
だからこそ、Googleマイビジネスを積極的に運用することは競合他社との差別化につながると考えています。
目に触れる機会を増やすことで、ユーザーから選ばれる可能性を高めることができます。
Google広告
Web広告で認知を獲得し、集客や指名検索数の増加を目指すのであればGoogle広告をオススメします。
Google広告をオススメするのは、国内のブラウザ利用者割合の約7〜8割がGoogleのブラウザを使用しているからです。
特にオススメするのは「ローカル広告」です。
ローカル広告はGoogleマイビジネスとGoogle広告のアカウントを連携することで実施することができる広告メニューです。
GoogleMapだけでなく、Google検索ネットワーク、ディスプレイネットワーク、YouTubeの配信面など、かなり広い配信面をカバーできるので目に触れる機会を高めることができます。
特に店舗系のビジネスを展開されているお客様には、集客に大きな効果が得られることを、これまでの運用から確認しています。
この辺りは過去に記事を作成していますので、参照いただければ幸いです。
LINE公式アカウント運用とLINE広告(友だち獲得広告)
LINE公式アカウントに関しては運用していることがほぼ当たり前になってきた感がありますが、アカウントを作成して運用を放置してしまっているというケースがよく見受けられます。
定期的な発信でユーザーとのコミュニケーションを取りながら、エンゲージメントを高めていくことで、確実な認知向上と集客の効果が見込めます。
集客手段の1つとしてLINE公式アカウントを運用しない手はありません。
またLINE公式アカウントの友だち数は、資産性が高く、他の広告と違い費用をかけた分だけ積み上がっていくという特性があります。
そのため広告を配信して友だちを獲得することができるLINE広告(友だち獲得広告)も併せて実施すると、相乗効果が見込めるためオススメしております。
指名検索の増加・効果的な戦略立案はお任せください
闔閭集合に入り、指名検索を増やしていくためには、シゴトサガスの事例にもあるように、市場やポジショニングを見極めながら長期的な視点で認知を積み上げていくほかありません。
これまでの運用経験からも、広告を短期的に配信するだけでは効果はあまり高くないというのが実際のところです。
そのためにも比較的安価に開始できる「Googleマイビジネス」や「LINE公式アカウント」の運用は、特にオススメできる施策です。
「口コミ」や「友だち」は基本的には1度獲得すれば積み上げていけるストック型なので、時間や費用をかけた分だけ効果を高めていくことができます。
タッチポイントが増え、検討段階で考慮集合に入ることができれば、リスティング広告などのWeb広告の効果を高めることが可能です。
そのためには局所的な戦略ではなく、全体を俯瞰的に見ながら中長期的な視点で最適化を図っていく必要があります。
全体の戦略立案やマーケティングプランをご検討の際は、福島県内で唯一「Google Partner」「LINE公式アカウント 店舗向けブロンズパートナー」の両方に認定されている弊社にお任せください。